逆転裁判3は、成歩堂龍一を主人公とする初期三部作の完結編です。
「過去と現在の交錯」をテーマに、若き日の綾里千尋が挑んだ事件と、現在の成歩堂龍一が直面する事件が交互に描かれ、それら全てが一つの巨大な真実へと収束していく構成は、シリーズ最高傑作との呼び声も高いです。
謎の仮面検事ゴドーとの対決、そして因縁の敵・美柳ちなみとの決着。
全ての伏線が回収されるフィナーレは、プレイヤーに深い感動とカタルシスを与えてくれます。
本作は全5話構成。捨て回なしの濃密なエピソードが揃っています。
物語は5年前の法廷から幕を開けます。
被告人はなんと、大学生時代の成歩堂龍一。弁護人は新人時代の綾里千尋です。
風邪を引いてピンクのセーターを着たウブな成歩堂くんと、まだ初々しさが残る千尋さんのコンビが新鮮。
後の宿敵となる「美柳ちなみ」との最初の対決でもあり、物語のプロローグとして完璧な掴みを見せます。
舞台は現在に戻り、倉院の里の秘宝展で起きた窃盗事件を扱います。
怪人「仮面マスク」を名乗る気弱な青年・天杉優作と、自称名探偵・星威岳哀牙という濃すぎるキャラクターが登場。
そして、成歩堂の前に立ちはだかるのは、謎のハードボイルド検事・ゴドー。
彼がなぜ成歩堂に敵意を向けるのか、その謎がここから始まります。
成歩堂の「偽者」が法廷に立ち、有罪判決を出してしまったという衝撃的な導入のエピソード。
被害者がプログラマーで、事件現場がフレンチレストラン「吐麗美庵(トレビアン)」という、一見無関係な要素が複雑に絡み合います。
成歩堂が偽者の正体を暴き、汚名を返上するために奔走する、ギャグテイスト強めながらもトリックが秀逸な回です。
再び過去へ。6年前、綾里千尋が初めて弁護席に立った「最初の逆転」が描かれます。
対戦相手は、これまた新人時代の御剣怜侍。
若き日の二人の天才が火花を散らす法廷は必見ですが、この裁判は悲劇的な結末を迎えます。
この事件が、後の物語にどう影を落としているのかを知る重要なエピソードです。
全ての因縁が集約する最終話。
霊場「葉桜院」を訪れた成歩堂たちを、殺人事件と橋の崩落事故が襲います。
孤立した山奥で、過去の亡霊たちが次々と姿を現し、真宵や春美にも危機が迫ります。
御剣検事や狩魔冥も協力者として登場し、オールスター総出演で挑むラストバトル。
明かされるゴドーの正体、千尋の想い、そして真犯人の悪意。
逆転裁判シリーズ屈指のボリュームと感動が待ち受けています。
コーヒーを愛し、独特の比喩表現(ゴドー語録)を操る仮面の検事。
成歩堂を「まるほどう」と呼び、執拗に敵視しますが、その真意は物語の核心に関わります。
彼の飲むコーヒーの苦味は、彼が背負った過去の重さそのものなのかもしれません。
清楚で可憐な容姿とは裏腹に、極めて自己中心的で冷酷な本性を持つ悪女。
シリーズでも類を見ない「純粋悪」として描かれ、その執念深さはプレイヤーを戦慄させます。
彼女と千尋、そして成歩堂との因縁が、本作の縦軸となっています。
システム面は前作「2」を踏襲しており、探偵パートでの「サイコ・ロック(心理錠)」も健在です。
相手の秘密を暴く緊張感はそのままに、難易度は理不尽さが減り、より遊びやすく調整されています。
BGMは岩垂徳行氏が担当。
特に追求曲「追求 ~とっつかまえて」は、疾走感とメロディの美しさが際立っており、シリーズ屈指の人気曲です。
逆転劇のクライマックスでこの曲が流れた時の高揚感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
シリーズ最高傑作との呼び声も高く、リマスター版「123 成歩堂セレクション」のヒットにより、今なお売れ続けています。
1、2をプレイしてきたファンへの最高のご褒美。
伏線の回収、キャラクターの因縁の決着、どこをとっても完璧な完結編でした。
BGM「追求 ~とっつかまえて」の疾走感も最高です。
「男が泣いていいのは、全てを終えた時だけだ」というセリフの意味を、ぜひその目で確かめてください。