先日プレイした「魔法少女の魔女裁判」(通称:まのさば)をクリアしたので、感想と評価をまとめました。
「魔法少女」という可愛らしいモチーフと、「デスゲーム・裁判」という殺伐としたシステムを融合させた意欲作です。
プレイ前は単なるイロモノかと思っていましたが、予想以上に骨太なシナリオと、魔法設定を活かした独自の推理ロジックに引き込まれ、一気にクリアまで駆け抜けてしまいました。

突如として謎の閉鎖空間「魔女の箱庭」に閉じ込められた13人の魔法少女たち。
案内役のマスコットキャラクター「モノ・キャット」から告げられたのは、あまりにも理不尽なルールでした。
「この中に、人類を裏切り魔女に加担した『裏切り者』がいる。生き残りたければ、学級裁判でその裏切り者を特定し、処刑しなければならない」
プレイヤーは主人公の魔法少女となり、探索パートで証拠を集め、裁判パート(ウィッチ・トライアル)で相手の矛盾を論破し、真実を暴いていくことになります。
ダンガンロンパや逆転裁判といった推理アドベンチャーの系譜に連なる作品ですが、そこに「魔法」というファンタジー要素が絡むことで、唯一無二のプレイ体験を生み出しています。
序盤は、個性豊かな魔法少女たちがキャッキャウフフと過ごす日常パートがあり、非常に微笑ましいです。
しかし、第一の殺人事件が発生した瞬間、その空気は一変します。
昨日まで笑い合っていた仲間が、無残な姿で発見される絶望感。そして、「誰がやったのか?」「次は自分が殺されるのではないか?」という疑心暗鬼が渦巻く極限状態。
この「可愛さ」と「残酷さ」の落差こそが本作の最大の魅力であり、プレイヤーの心を激しく揺さぶります。
物語が進むにつれて、「なぜ彼女たちは集められたのか?」「魔女とは何なのか?」という世界の根幹に関わる謎が徐々に明かされていきます。
各キャラクターが抱える過去のトラウマや、魔法少女になった動機(願い)が事件の動機と密接にリンクしており、単なる犯人当てに留まらないドラマ性があります。
特に終盤の怒涛の伏線回収は圧巻で、画面の前で「嘘でしょ…!?」と声を上げてしまうほどの衝撃的な展開が待ち受けていました。
基本的にはポイントクリック形式で怪しい箇所を調べ、証拠品(マテリアル)を集めていきます。
ここで面白いのが、各キャラクターの固有魔法(ユニーク・マジック)を捜査に活用できる点です。
例えば、「過去視」の魔法を持つキャラに協力を仰げば犯行時刻の映像が見えたり、「物質解析」の魔法で凶器の成分を特定したりできます。
ただし、魔法の使用には制限があり、誰にどのタイミングで協力を頼むかが攻略の鍵となります。
集めた証拠を武器に、ノンストップで議論が展開されます。
本作独自のシステムとして「魔法論証(マジック・ディベート)」があります。
これは、「魔法の法則(例えば、炎の魔法は水に弱い、変身魔法は質量保存の法則に従うなど)」を根拠に矛盾を指摘するシステムです。
「密室殺人だが、空間転移魔法を使えば出入り可能では?」といったファンタジー特有の推理と、「しかし彼女の魔力残量では転移は不可能」といったロジカルな反証が入り乱れる議論は、非常に頭を使いますが爽快感抜群です。
キャラクターデザインは非常にポップで可愛らしく、立ち絵のバリエーションも豊富です。
しかし、おしおき(処刑)シーンの演出はかなりグロテスクかつ芸術的で、そのギャップが恐怖を煽ります。
UI周りも魔法陣やステッキを模したデザインで統一されており、世界観への没入感を高めてくれています。
「魔法少女の魔女裁判」は、キュートな見た目に反して、非常に骨太でシリアスな推理アドベンチャーでした。
「魔法」という不確定要素をミステリーの論理に組み込む手腕は見事で、既存のデスゲームものに飽きた人でも新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。
クリア後には、彼女たちの物語をもう一度最初から読み返したくなる、そんな切なくも美しい余韻が残る名作です。
推理ゲーム好き、そして魔法少女モノの「闇」の部分が好きな方には、自信を持っておすすめします。