都市伝説解体センター プレイレビュー

都市伝説解体センターゲームレビューアドベンチャー集英社ゲームズ
最終更新日 2025-02-20

概要

都市伝説解体センターは、2025年2月13日に集英社ゲームズから発売されたミステリーアドベンチャーゲームです。
開発は、「和階堂真の事件簿」などで知られるインディーゲーム制作チーム「墓場文庫」。
怪異、呪物、異界…インターネットやSNSを通じて拡散される「都市伝説」を調査し、その正体を暴く(解体する)専門機関「都市伝説解体センター」の活躍を描いた作品です。
プレイヤーは新人調査員の福来あざみとなり、車椅子のセンター長・廻屋渉とともに、数々の奇怪な依頼に挑みます。

ストーリーと世界観

本作の魅力は、なんといってもその独特な世界観と、魅力的なキャラクターたちです。
舞台は現代の日本。しかし、そこは「きさらぎ駅」や「口裂け女」といった都市伝説が実体を持って現れる危険な世界でもあります。
主人公のあざみは、ある特殊な能力(霊視のようなもの)を持っており、それを見込まれてセンターにスカウトされます。
一方、センター長の廻屋は、卓越した推理力と霊能力を持ちながらも、現場には出向かず指示を出す「安楽椅子探偵」的なポジション。
この凸凹コンビが、ネットの闇に潜む悪意や、悲しい真実を解き明かしていく過程は、まるで上質なオカルトドラマを見ているような没入感があります。

アートワーク:サイケデリック・ピクセル

グラフィックは、レトロなドット絵をベースにしつつも、毒々しいまでの鮮やかな色彩と照明効果を加えた「サイケデリック・ピクセルアート」とも呼ぶべきスタイルです。
日常の風景に異物が混ざり込んだような不気味さや、霊的な現象が起きた時の歪んだ空間表現が素晴らしく、ただ歩いているだけでも「何か嫌な感じ」が伝わってくる演出は見事です。

ゲームシステム:調査と解体

SNS調査と現場検証

ゲームは、依頼を受けるところから始まります。
まずはSNSのタイムラインを監視し、都市伝説に関連するキーワードを収集。
その後、実際に現場へ赴き、聞き込みや探索を行います。
あざみは「特殊な眼鏡」をかけることで、過去の残留思念や隠された痕跡を視覚化することができ、これが捜査の大きな鍵となります。

解体(推理パート)

証拠が揃ったら、廻屋センター長への報告パート(推理パート)に移ります。
ここでは、集めたキーワードや証拠品を組み合わせて、都市伝説の「正体」を特定していきます。
面白いのは、必ずしも「オカルトを科学で否定する」わけではない点です。
時には霊的な現象を認めつつ、「なぜその怪異が生まれたのか」「どうすれば無力化できるのか」という理屈(解釈)を構築し、怪異を概念的に「解体」してしまうのです。
このロジックの組み立てが非常にユニークで、本作ならではの爽快感があります。

良かった点

  • シナリオの完成度: 一話完結型のオムニバス形式で進みますが、各話のクオリティが高く、最後には大きな謎へと繋がっていく構成が巧みです。
  • 手頃な難易度: 推理アドベンチャーとしては難易度は低めで、詰まることなくサクサク進めます。ストーリーを楽しみたい人に最適です。
  • キャラクターの掛け合い: 真面目だけど少し抜けているあざみと、掴みどころのない廻屋の会話が楽しく、重くなりがちなテーマを中和してくれます。

気になった点

  • ボリューム: 全体的にコンパクトにまとまっており、ガッツリ謎解きをしたい人には少し物足りないかもしれません(クリアまで10時間程度)。
  • 移動の操作性: 一部のマップで、奥行きの判定が分かりづらく、引っかかることがありました。

売り上げ

Nintendo Switchのダウンロードランキングで1位を獲得するなど、インディーゲームとしては異例のヒットを記録しています。

総評

『都市伝説解体センター』は、ジャパニーズホラーの湿った空気感と、ポップなビジュアルが見事に融合した良作アドベンチャーです。
「都市伝説」というキャッチーな題材を扱いながらも、その裏にある人間の業や情念を丁寧に描いており、クリア後には心地よい余韻が残ります。
ミステリー好き、オカルト好き、そしてドット絵ゲームが好きな人には、自信を持っておすすめできる一本です。

評価詳細

  • プレイ時間: ストーリークリアまで約10時間
  • ストーリー: ★★★★☆(各話のオチが秀逸)
  • グラフィック: ★★★★★(唯一無二の雰囲気)
  • システム: ★★★☆☆(シンプルで遊びやすい)
  • 総合評価: ★★★★☆