ユニコーンオーバーロードは、「オーディンスフィア」や「十三機兵防衛圏」などで世界的に高い評価を得ているヴァニラウェアが開発し、アトラスが販売するシミュレーションRPGです。
90年代の名作SRPG(伝説のオウガバトルなど)への深いリスペクトを感じさせつつ、ヴァニラウェア独自の美麗な2Dグラフィックと、現代的に洗練されたゲームシステムが融合。
「新生・シミュレーションRPG」と呼ぶにふさわしい、懐かしくも新しい傑作が誕生しました。
舞台は、5つの国からなるフェブリス大陸。
突如として反乱を起こした新生ゼノイラ帝国によって大陸全土が支配されてしまいます。
亡国の王子アレインは、解放軍を率いて帝国の支配から民を救い、奪われた王位を取り戻すために立ち上がります。
ストーリー自体は非常に王道の「貴種流離譚」ですが、60人以上もの仲間キャラクターそれぞれにしっかりとした背景とドラマがあり、彼らが織りなす群像劇は見応え抜群です。
幼馴染の騎士、忠実な老騎士、元盗賊、エルフの姉妹、獣人の戦士など、多種多様な種族・立場の人間たちが、アレインのもとに集い、絆を深めていく過程には胸が熱くなります。
ヴァニラウェアといえば2Dグラフィックですが、本作でもそのクオリティは健在、いや進化しています。
キャラクターの立ち絵が呼吸するかのように滑らかに動くのはもちろん、背景の草木の揺れや、城壁の質感に至るまで、画面の隅々まで魂が込められています。
そして特筆すべきは「ヴァニラ飯」。
宿屋で食べられる料理のイラストがあまりにも美味しそうで、夜中にプレイするのは危険です(飯テロ的な意味で)。
この「食」へのこだわりが、過酷な戦いの中での束の間の休息を演出し、世界観への没入感を高めています。
本作の戦闘は、最大5人のキャラクターで1つのユニット(部隊)を編成し、リアルタイムに進行する戦場で敵と戦う形式です。
面白いのは、キャラクターの組み合わせと配置です。
「前衛に回避の高いシーフを置き、後衛からアーチャーが射撃する」「重装兵で守り、魔法使いで焼く」といった基本的な戦術から、クラスごとの相性や装備スキルを考慮した高度なシナリオまで、編成の可能性は無限大です。
戦闘自体はオートで進行しますが、プレイヤーは事前に「作戦」を細かく設定できます。
「HPが一番低い敵を狙え」「味方のHPが50%以下の時に回復魔法を使え」「飛行系の敵にはこのスキルを使え」など、条件分岐(プログラミングのif文に近い)を組むことができます。
この作戦設定が非常に奥深く、強敵に勝てない場合でも、レベルを上げずに作戦を組み替えるだけで完勝できることもあります。
この「自分の考えた最強のロジック」がハマった時の快感は、他では味わえません。
広大なフィールドマップは自由に探索可能です。
敵に占領された町や砦を解放し、資材を納品して復興させることで、新たな装備が買えるようになったり、守備兵を配置して報酬を得たりすることができます。
単に戦うだけでなく、世界を自分の足で歩き、少しずつ平和を取り戻していく過程が可視化されるため、モチベーションが維持しやすいです。
『ユニコーンオーバーロード』は、SRPGというジャンルの面白さを再定義した、歴史に残る傑作です。
戦略を練る知的な楽しさと、美しいファンタジー世界に浸る情緒的な楽しさが、高いレベルで両立しています。
ヴァニラウェアのファンはもちろん、全てのゲーマーに自信を持っておすすめできる一本です。