ドラゴンクエストI・II HD-2Dリマスター プレイレビュー

ドラゴンクエスト ゲームレビュー RPG スクウェア・エニックス HD-2D
最終更新日: 2026-01-30

目次

概要

ドラゴンクエストI・II HD-2Dリマスター は、日本のRPGの礎を築いた伝説的な2作品を、最新の「HD-2D」技術で完全リメイクしたPS5版です。

ドラゴンクエストI・II HD-2D
1986年と1987年に発売されたオリジナル版から約40年、これまで何度もリメイクされてきた作品ですが、今回のHD-2D版は「懐かしさ」と「現代的なプレイ感」の両立に最も成功したバージョンと言えるでしょう。

ドット絵の温かみを残しながら、立体的な奥行きや美麗なライティング、粒子エフェクトを加えることで、まるで「記憶の中の美しいドラゴンクエスト」がそのまま画面に映し出されたような感動を覚えます。
さらに、現代のRPGでは当たり前の快適機能が多数追加され、初めてプレイする人も、当時を知る世代も、どちらも楽しめる仕上がりになっています。

ドラゴンクエストI:勇者の伝説、ここに始まる

シンプルで完結した1人旅

ドラゴンクエストIは、たった1人の勇者がアレフガルドの地を冒険し、竜王を倒して姫を救う、非常にシンプルな物語です。
パーティメンバーはおらず、装備やレベルを整えながら、少しずつ強くなっていく達成感がこの作品の魅力。
今プレイすると「こんなにシンプルだったのか!」と驚くかもしれませんが、だからこそ、RPGというジャンルの「核心」が凝縮されています。

HD-2D版で蘇る世界

かつてのファミコン版では想像力で補っていた城や街、洞窟の情景が、HD-2Dによって立体的に、そして美しく描かれます。
夕暮れ時のラダトームの城、薄暗い洞窟のたいまつの揺らぎ、竜王の城へ続く虹の橋。
そのどれもが息を呑むほど美しく、思わずスクリーンショットを撮りたくなるシーンばかりです。

プレイ感想

クリアまでの時間は約8時間。かつては「どこに行けばいいかわからない」と迷った記憶がありますが、HD-2D版では親切なヒントやマップ表示、ダッシュ機能により非常に快適です。
初代ドラクエを初めてプレイする人でも、迷わず最後まで楽しめるでしょう。
そして、あの「復活の呪文」がない安心感。セーブはいつでも可能で、ストレスフリーです。

ドラゴンクエストII:悪霊の神々、壮大な冒険へ

仲間との旅、そして広大な世界

ドラゴンクエストIIでは、ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女という3人のパーティで冒険します。
前作の何倍も広いマップ、複数の大陸、海を渡る船、そして絶望的に強い敵たち。
当時のプレイヤーを絶望の淵に叩き落とした高難易度も、このリメイクでは絶妙に調整されています。

ドラゴンクエスト バトルシーン

戦略性の増したバトル

IIでは仲間が加わったことで、戦略性が大きく向上しました。
回復役の王女、攻撃魔法が得意なサマルトリアの王子、物理攻撃の要となるローレシアの王子。
それぞれの役割を理解し、装備を整え、呪文を駆使することで、強敵にも立ち向かえるようになります。
特に、終盤のハーゴンの神殿やロンダルキアへの洞窟は、かつての高難易度の面影を残しつつも、理不尽さは抑えられており、ちょうど良い歯ごたえになっています。

プレイ感想

クリアまで約20時間。オリジナル版で苦しめられた「全滅からのやり直し」は、こまめなセーブとバランス調整により大幅に軽減されています。
しかし「簡単すぎる」ということはなく、しっかりと考えて戦わないと全滅する場面もあり、緊張感は健在です。
何より、広大な世界を冒険する楽しさ、未知の大陸に足を踏み入れるワクワク感は、今プレイしても色褪せません。

HD-2Dリマスター版の特徴

美しすぎるグラフィック

ドット絵と3Dの融合である「HD-2D」は、オクトパストラベラーやトライアングルストラテジーで確立された技術ですが、ドラゴンクエストとの相性は抜群です。
特にフィールドの奥行き感、昼夜の変化、天候による雰囲気の変化は圧巻。
夕焼けに染まるアレフガルド、月明かりに照らされるムーンブルク。
ドラクエの世界がこれほど美しく描かれたことは、過去にありませんでした。

快適性の大幅向上

  • ダッシュ機能 : フィールド移動が劇的に快適
  • オートセーブ : いつでもどこでもセーブ可能、復活の呪文は不要
  • 戦闘速度調整 : 倍速機能で戦闘がサクサク
  • モンスター図鑑 : 倒したモンスターを記録し、達成度を確認
  • ミニマップ : 現在地が一目瞭然
  • アイテム整理 : 自動整理機能で管理が楽

これらの改善により、「古いゲーム特有のストレス」はほぼゼロになっています。

すぎやまこういち氏の音楽

オーケストラアレンジされた楽曲は、どれも感動的です。
「序曲」のファンファーレ、「広野を行く」の冒険心をくすぐるメロディ、「戦闘」の緊張感。
そして「竜王」や「果てしなき世界」といった名曲たちが、現代の音質で鳴り響く喜び。
これだけでも、このリマスター版をプレイする価値があります。

良かった点

  • HD-2Dの圧倒的な美しさ : ドット絵RPGの最高峰と言える映像表現。フィールド、街、ダンジョン、すべてが美しい。
  • 快適性の大幅改善 : ダッシュ、オートセーブ、倍速戦闘など、現代的な遊びやすさと古き良きゲーム性の両立。
  • 絶妙なバランス調整 : IIの高難易度が適度に調整され、初心者でも楽しめる難易度に。
  • オーケストラ音楽 : すぎやまこういち氏の名曲が最高の音質で楽しめる。
  • モンスター図鑑 : コレクション要素が追加され、やり込み要素が増した。

気になった点

  • ストーリーの短さ(特にI) : 現代のRPGに慣れていると、Iは物足りなく感じるかも。ただし、これはオリジナルへのリスペクトでもある。
  • 一部のバランス : IIの序盤はやや単調で、中盤以降から面白くなる印象。
  • 追加要素の少なさ : グラフィックと快適性以外の追加要素(新ダンジョンや隠し要素)はほぼなし。

総評

『ドラゴンクエストI・II HD-2Dリマスター』は、RPGの歴史的名作を、最高の形で現代に蘇らせた傑作リマスターです。
「懐かしい」だけでなく、「今遊んでも楽しい」ゲームに仕上がっており、初めてドラクエに触れる人にも、当時を知る世代にも、心からおすすめできます。

ドラゴンクエストという伝説がどのように始まったのか、その原点を、これ以上ない美しさと快適さで体験できる、まさに「決定版」と呼ぶにふさわしい一作です。

評価詳細

  • プレイ時間 : ドラクエI 約8時間、ドラクエII 約20時間
  • ストーリー : ★★★★☆(シンプルだが王道の面白さ)
  • グラフィック : ★★★★★(HD-2Dの極致)
  • システム : ★★★★★(快適性が素晴らしい)
  • サウンド : ★★★★★(オーケストラアレンジが最高)
  • 総合評価 : ★★★★★