生放送の2PC配信のメリット・デメリット

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最終更新日 2024-06-12
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生放送の2PC配信のメリット・デメリット

はじめに

高画質で滑らかなゲーム配信を実現するために、多くのストリーマーが憧れる環境、それが「2PC配信」です。
ゲームをプレイする「Gaming PC」と、エンコードと配信を行う「Streaming PC」を物理的に分けることで、PCへの負荷を分散させる手法ですが、その導入には高いハードルと、意外な落とし穴が存在します。
今回は、実際に2PC配信環境を構築して分かった、技術的な詳細とメリット・デメリットを深掘りして解説します。

2PC配信の仕組み

基本的には、Gaming PCの映像と音声を、Streaming PCに送る必要があります。
これには大きく分けて2つの方法があります。

1. キャプチャーボード方式

最も一般的で安定した方法です。
Gaming PCのグラフィックボードからHDMIケーブルで出力し、Streaming PCに接続したキャプチャーボード(GC573やGC550 PLUSなど)に入力します。
遅延が少なく、画質も安定しますが、ハードウェアの購入コストがかかります。

2. NDI (Network Device Interface) 方式

LANケーブルを介して映像と音声を転送する方法です。
OBSのプラグインなどで無料で導入できますが、ネットワーク帯域を大量に消費するため、ルーターやハブの性能が重要になります。また、キャプチャーボードに比べて遅延が発生しやすいです。

メリット:なぜ2PCにするのか

1. ゲームパフォーマンスの最大化

これが最大の理由です。
1PC配信では、CPUやGPUのリソースをOBSのエンコード処理に割く必要があります。特にAPEXやVALORANTのような高fpsが求められるFPSゲームでは、配信しながらだとフレームレートが低下したり、カクつきが発生したりすることがあります。
2PCにすれば、Gaming PCはゲームの処理だけに専念できるため、配信をしていない時と同じ快適さでプレイできます。

2. 高画質設定での配信

Streaming PC側で、画質重視のエンコード設定(x264のslowプリセットなど)を行う余裕が生まれます。
これにより、動きの激しいシーンでもブロックノイズが乗りにくい、クリアな映像を視聴者に届けることができます。

3. リスク分散

万が一、Gaming PC側でゲームがクラッシュしたり、フリーズしたりしても、Streaming PCは生きているため、配信自体は止まりません。
「少々お待ちください」画面に切り替えて、視聴者に状況を説明する余裕が生まれます。

デメリット:立ちはだかる壁

1. 導入コストとスペース

当然ながらPCが2台必要になるため、初期投資は倍近くになります。
さらに、モニター、キーボード、マウスもそれぞれ用意するか、KVMスイッチで切り替える必要があり、デスク周りのスペースを圧迫します。電気代も無視できません。

2. 映像と音声の同期ズレ(リップシンク)

キャプチャーボードを経由することで、Streaming PCに映像が届くまでに数十ミリ秒〜数百ミリ秒の遅延が発生します。
一方でマイク音声がStreaming PCに直接入力されていると、「声が先に聞こえて、後から映像が動く」という現象が起きます。
これを防ぐために、OBS側でマイク音声に「遅延設定」を入れる必要がありますが、この調整が非常にシビアです。

3. オーディオルーティングの複雑怪奇さ

これが最大の難関です。
Gaming PCで聞いているゲーム音、Discordの通話音声、そして自分のマイク音声。これらをどうやってStreaming PCに送るか?

  • オーディオミキサー(YAMAHA AG03など)を使う: 物理的にケーブルを繋いで音声を分配する。確実だが配線が地獄になる。
  • Voicemeeter Bananaを使う: ソフトウェアで音声を仮想的にルーティングする。配線はスッキリするが、設定が難解で、PCの再起動で設定が飛ぶこともある。

例えば、「Discordの通話相手の声は配信に乗せたいが、棒読みちゃんの声は自分だけ聞きたい」といった要望が出た瞬間、設定の難易度は跳ね上がります。

結論:ロマンはあるが、修羅の道

最近のCPUやGPU(特にNVIDIAのNVENC)の性能向上により、1PCでも十分に高画質で低負荷な配信が可能になっています。
あえて2PCにするメリットは、以前に比べて薄れてきているのが正直なところです。

それでも、「1fpsでも高く出したい」「業務用レベルの画質を追求したい」という拘り派の方には、2PC配信は間違いなく最強の環境です。
ただし、導入する際は「配線地獄」と「音声トラブル」と戦う覚悟を持って挑んでください。
一度環境が完成してしまえば、その快適さは病みつきになりますよ!